【魂のルーツ】
子供の頃、教室でみんなが一斉に駆け出していくとき、あなたは少しだけ遅れて動き出すような子ではなかったでしょうか。急かされて慌てるのではなく、全体がどう動くのかを一度眺めてから、自分の足を出す。
そういう間合いを、誰に教わったわけでもなく持っていた気がします。
群れの真ん中ではなく、半歩外。けれど外れているわけではありません。
ちゃんと輪の中にいながら、少しだけ離れた位置から場の様子をすくい取っている。鬼ごっこでも、みんなが追いかけ合う中であなたは一歩引いて、誰がどこへ逃げるかを見ていたかもしれません。
そして気づけば、いちばん良い場所に立っている。そんな子です。
霧深い山頂に立つ静かなる軍師。この魂にはそんな姿が宿っています。
高いところから景色を見渡すように、あなたは幼い頃から全体を眺める癖を持っていました。騒がしさの中で自分を見失わず、静かに自分の居場所を確保していく。
それは引っ込み思案とは違います。むしろ、自分がどこにいれば力を出せるかを、本能で知っている賢さなのです。
おっとりして見える。けれど鈍いわけではない。
周りからは落ち着いた子、手のかからない子と思われていたかもしれません。実際あなたは、感情をそのまま外に出すより、一度自分の中で眺めてから言葉にする落ち着きを持っていました。
理屈っぽいのではなく、ただ静かに考える時間が好きだった。本を読むのが好きだったり、ひとりで何かを組み立てる遊びに没頭したり。
そんな記憶はありませんか。
俯瞰する目を持つ人は、たいてい少し早く大人びます。あなたも、年齢のわりに物事の先が見えてしまうところがあったのではないでしょうか。
だからこそ、同じ年頃の子たちのにぎやかさに、どこか入りきれない感覚もあった気がします。楽しくないわけではない。