【魂のルーツ】
子供の頃、おもちゃ箱の中がきちんと並んでいないと落ち着かなかった。そんな記憶はありませんか。
色のちがう積み木を端からそろえて、最後の一個までぴたりとはまったときの、あの静かな満足。
誰に褒められるためでもなく、ただ整っていることが心地よかった。あなたの魂の奥には、そういう気質が早くから流れていました。
物事をきちんと筋道立てて考える知性。それがこの魂のいちばん深いところにあります。
納得できないまま「とりあえず」で進めるのが苦手で、わけのわからないことには、子供ながらに「どうして」と問い返していたのではないでしょうか。
理屈が通れば素直に従う。けれど通らなければ、表情には出さなくても胸の中で引っかかりを抱え続ける。そういう正直さでした。
みっともないことが、昔から好きではなかった。約束をうっかり破ること、中途半端で投げ出すこと、人前でだらしなく見えること。
そういうものを自分に許せなかった。だから一度引き受けたことは、たとえ小さなお使いでも最後まできちんとやり遂げる。
几帳面というより、自分との約束を守りたいだけだった。そんなところがあったはずです。
古いものへの敬いも、どこか身についていました。新しさにすぐ飛びつくよりも、長く大事にされてきたものに安心を覚える。年上の人の言葉にうなずく素直さ。礼儀やけじめへの感覚。
同年代より少し大人びて見られることが、あったかもしれません。
そして、この合理性のすぐ裏側に、人にはあまり見せない感じやすさが静かに息づいています。
きちんとしていたいのに、ふとした夕暮れの光や、誰かの何気ないやさしさに、胸がいっぱいになってしまう。
理屈で生きているように見えて、心の奥はずいぶんやわらかい。
その二つを抱えているのが、この魂の面白さです。
知性と凛とした構え。それが愛嬌と知性を宿した孤高の越境者という名の、土台になっています。
きちんとしていたあなたは、決して堅いだけの人ではありませんでした。整えながら、その奥でいつも何かを感じていた。
ただ、ひとつだけ。