【魂のルーツ】
あなたという人を、ひとことで言うのは難しいかもしれません。けれど多くの人が、あなたに対して同じ感想を持っています。
「一緒にいると、なんだか落ち着く」と。
声を荒げて何かを主張する姿を、周りはあまり見たことがないのではないでしょうか。場の空気がささくれ立ったとき、あなたはたいてい、いちばん穏やかな場所に立っています。
怒っているわけではない。無関心なわけでもない。
ただ、争いそのものをきれいだと感じられない性質が、子供の頃から続いているだけなのです。
幼い日のあなたを思い返してみてください。誰かが嘘をついたり、ずるい立ち回りで得をしたりする場面に出くわすと、うまく言葉にできないまま、胸のあたりがざわついた。
そういう記憶はありませんか。大人が当たり前のように使う処世術や打算を、あなたはどこかで受けつけられなかった。
それは世間知らずだったのではなく、汚れたものを見分ける感覚が、最初から備わっていたからです。
澄んだ水は、濁りをすぐに察します。あなたの心も、それと同じでした。
きれいなものはきれいなまま受けとめ、にごったものには静かに距離を置く。まっすぐすぎて損をした場面も、一度や二度ではなかったでしょう。
大地をひそかに潤す春雨の使者。あなたの魂を、そう呼んでみます。
土砂降りではなく、細く長く降りつづける雨。地面に染み込み、根の奥まで届いて、草を育てる雨。
誰も「すごい雨だった」とは言いません。それでも、その雨がなければ何も芽吹かなかった。
あなたの優しさは、まさにそういう種類のものでした。
温かい心を持っていますね。困っている人を見ると、放っておけない。
相手が口に出す前に、何を必要としているかを感じ取ってしまう。求められているものを、求められる前に差し出す。
そんな細やかさが、あなたには自然と備わっています。
ただ、ここで少しだけ触れておきたいことがあります。