【魂のルーツ】
水の底は、外から見ても何も見えません。
あなたという人を一言で言い表すのは、昔から難しかったのではないでしょうか。明るい人とも違う。
暗い人とも違う。にぎやかな輪の中にいても、心のいちばん深いところは別の場所にあるような、そんな感じ。
深海と嵐を同時に宿す神秘の知謀者、それがあなたの魂のかたちです。表面は静かでも、底のほうではいつも何かが動いています。
子どもの頃を思い出してみてください。みんなが同じ遊びで笑っているとき、あなたは少しだけ離れたところから、その様子を眺めていませんでしたか。
仲間に入れないのではなくて、入らないことを自分で選んでいた。一人でいる時間が、不思議と苦しくなかった。
むしろその静けさの中で、頭の中はよく動いていたのではないでしょうか。
考えることが、あなたにとっては呼吸のようなものでした。物事の表側だけを見て安心することができない。
なぜそうなっているのか、その奥に何があるのか、つい考えてしまう。冷静に見える。
落ち着いて見える。けれど内側では、いくつもの問いが静かに渦を巻いている。
その静と動の同居こそが、あなたの精神のもとにあります。
一度こうと決めたことは、まわりが何と言おうと曲げない強さもあります。頑固と言われたこともあるかもしれません。
でもそれは、自分の中の深いところで一度納得したからこその一貫性です。理知的で、どこか古風な落ち着き。
年齢を重ねた今のほうが、その質はかえって際立っているのではないでしょうか。
ただ、ここに一つだけ、薄く流れているものがあります。