【魂のルーツ】
子供の頃、誰かが話してくれた昔の話を、いつまでも覚えていたほうではありませんか。
おとぎ話でも、おばあさんの思い出話でも、学校で習った遠い時代のことでもいい。みんながもう忘れた頃に、あなただけがその続きを覚えていた。
聞いたことを、心の奥のどこかにそっとしまっておく。そういう子供だったのではないかと思います。
新しいものより、少し古びたもののほうに手が伸びる。これも幼い頃からの癖だったかもしれません。
使い込まれた道具、年季の入った場所、何度も読まれてくたびれた本。新品のつやよりも、時間を吸った手触りのほうに安心する。
理由は説明できないけれど、そこにいると落ち着く。そんな感覚があったのではないでしょうか。
あらゆる方角に好奇心の触手を伸ばしながら、その実、あなたが吸い込んでいたのは古いものから流れてくる知恵でした。先に生きた人たちが残していったもの。
長く受け継がれてきた決まりごと。それを自分の中に取り込むと、不思議と足元が固まる感じがする。
学ぶことが、あなたにとっては気晴らしというより、立っていられるための支えに近かったはずです。
知恵を吸収するという言い方が、これほど似合う人もそういません。あらゆる知恵を吸収する旅の探求者という名前が示すとおり、あなたの根っこには、世界をゆっくり飲み込んでいく静かな力があります。
性格の面でも、思い当たることがあるかもしれません。物事をきちんと筋道立てて考えるところ。
流行に振り回されず、昔ながらのやり方を案外大事にするところ。人の話を素直に受け取って、まずは飲み込んでみるところ。
賢いと言われることも、一度や二度ではなかったのではないでしょうか。