【魂のルーツ】
子供の頃、あなたはあまり取り乱さない子だったのではないでしょうか。
まわりの子が泣いたり騒いだりしている時も、少し離れたところから、静かにそれを見ている。
慌てない。声を荒げない。きちんとして見える。
大人から「しっかりした子」と言われることも多かったかもしれません。
けれど、それは感じていなかったからではありませんよね。むしろ逆だったはずです。
胸の内では、いろんなものが強く揺れていた。悔しさも、悲しさも、人より大きく動いていた。
ただ、それを表に出さないようにしていた。出さないでいられるだけの、静かな力を、あなたは早くから身につけていました。
この魂には、磨かれた白銀のような落ち着きがあります。
表面はなめらかで、冷たくさえ見える。けれどその下には、抑えこまれた熱があります。
光を放つ剣士。その姿が、あなたの奥に立っています。
外から見える姿と、内側の実際とが、ずいぶん離れている。それがこの魂の、いちばんの特徴です。
物わかりも早かったのではないでしょうか。
一度説明されたことは、すぐに筋道で理解できる。なぜそうなるのか、自分なりに納得できるまで考える。
感情で押し流されるよりも、ものごとの順序で受けとめようとする。そういう冷静さが、子供の頃から備わっていました。
困ったことがあっても、人にすぐ頼らない。まず自分でなんとかしようとする。
泣きつくより先に、どうすればいいかを考える。その姿は、まわりには頼もしく映ったでしょう。
けれど内側では、頼り方がわからなかっただけかもしれません。弱さを見せる、という選び方が、最初から手元になかった。
そうやって、あなたはずっと、自分で自分を支えてきました。
それは立派なことです。