【魂のルーツ】
凍てつく冬の大地を、想像してみてください。表面は固く凍りつき、何も育っていないように見える。
けれどその地中の深いところには、長い時間をかけて結晶した鉱脈が、静かに眠っています。
あなたの魂は、その大地のような質感を持っています。
子供の頃を思い返してみると、思い当たることがあるのではないでしょうか。
みんなが飽きて放り出したことを、あなたは一人で続けていた。
同じ絵を何枚も描いたり、気になった一つのことをずっと調べていたり。
早く仕上げるのは得意ではなかったかもしれません。
けれど、途中でやめなかった。その粘りが、まわりの子とは少し違っていたはずです。
褒められて伸びるというより、自分で納得するまでやめられない。
誰かに急かされると、かえって手が止まる。
あなたの中には、自分のペースという確かな目盛りが、幼い頃からありました。
派手な才能で一気に駆け上がるタイプではありません。
それを子供心にどこかで感じていて、少しさみしく思ったこともあったかもしれませんね。
まわりの子がぱっと結果を出していくのを、横目で見ていた記憶。
でも、それでよかったのです。あなたの歩みは、一段ずつ確実に上がっていく階段に似ています。一足飛びはできない代わりに、上った段は決して崩れない。若い頃に十分発揮できなかった力は、消えてなくなったわけではなくて、
ずっと地中で結晶し続けていました。理屈で物を考えるところも、早くからあったのではないでしょうか。感情でぱっと決めるより、自分なりに筋を通したい。
納得できないことには首を縦に振らない。その静かな芯の強さを、あなたは自分で気づかないまま持っていました。
おとなしく見えて、内側はそうでもない。穏やかな表情の下で、自分の考えをしっかり握っている。この性質は、若いときには損に見えることがあります。要領のいい人が先に評価されて、あなたは後回しにされたかもしれません。けれど、ゆっくり積んできたものほど、簡単には目減りしないのです。
凍てつく冬の大地で鉱脈を探り当てる職人。それがあなたの魂の名前です。
掘る速さではなく、掘り当てる確かさで生きる人。ここまで読んで、胸のどこかが少し満たされない感じが残っているとしたら、それも大切なしるしです。その感触の正体は、次の章でゆっくり見ていきましょう。